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PubMedID 24842369 Journal J Exp Med, 2014 May 19; [Epub ahead of print]
Title In vivo imaging reveals PKA regulation of ERK activity during neutrophil recruitment to inflamed intestines.
Author Mizuno R, Kamioka Y, ..., Kiyokawa E, Matsuda M
京都大学大学院医学研究科  病態生物医学教室(松田道行研究室)    水野礼     2014/05/28

急性腸炎での好中球リクルートにおけるERKとPKAの生体内イメージング
自薦で誠に恐縮ですが、当研究室からの論文を紹介させていただきます。

ERKおよびPKAのFRETバイオセンサーを全身で発現するトランスジェニックマウス(Eisuke, PKAchu)を用いて、急性腸炎での好中球リクルートにおけるERKとPKAの生体内における活性変化を観察しました。結果は以下の通りです。

1.ERKは好中球リクルートのmain regulatorであった。
2.PKAはERKに拮抗的に作用することで好中球リクルートを負に制御した。
3.NSAIDs投与によって、好中球遊走の活性化を認めた。
4.これはNSAIDsによるPGE2/EP4/PKAシグナルの抑制、およびERKの活性化によることが示唆された。
5.NSAIDs腸炎(潰瘍)もPGE2/EP4シグナルの抑制による好中球遊走の活性化が影響することが示唆された。

以上です。もしよろしければご覧ください。Movie1の好中球リクルートにおけるERK活性のMovieがお勧めです。

腸管のイメージングは、実験開始当初、蠕動の影響をなかなか抑えることができず、動きの少ないMovieを取得することが困難でしたが、糸、綿棒、テープさえあれば特殊な装置がなくても簡単に蠕動を抑え、安定したMovieを取得することが可能な系を確立しました。また、腸管イメージングの系は、腸管内腔に走化因子を注入するだけで簡単に好中球リクルートを誘導できるので、好中球動態を生体内で観察するのに非常に適していると考えています。
   
   本文引用

1 理研IMS-RCAI  組織動態研究チーム  岡田峰陽 Re:Re:急性腸炎での好中球リクルートにおけるERKとPKAの生体内イメージング 2014/06/16
論文おめでとうございます。Movie 1、とてもかっこいいので大学院講義で紹介させて頂きました。

腸管のイメージングで私たちもやってみたいことがあり、ぜひ教わりたいと思っています。もし機会を頂けたら、どうかよろしくお願いします。
      
   本文引用
2 京都大学・生命科学研究科    松田道行 Re:Re:Re:急性腸炎での好中球リクルートにおけるERKとPKAの生体内イメージング 2014/06/16
岡田さん
ありがとうございます。好中球の血管外遊走は、当初、皮下組織で観察しようとしたのですが、なかなか都合よく血管から出ていくところが見えませんでした。腸は結合組織が疎で血管が多いことも見やすかった理由だと思います。In vivo imagingは論文にはうまくかけないノウハウが多々ありますので、講習会などで技術を広めたいと考えています。
      
   本文引用


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