FLI Forum
トップ検索ご質問

PubMedID 22619280 Journal Circ Res, 2012 Jun 22;111(1);17-27,
Title Noise-free visualization of microscopic calcium signaling by pixel-wise fitting.
Author Tian Q, Kaestner L, Lipp P
京都大学医学研究科 病態生物医学  松田道行研    藤田芳久     2012/09/05

画像のノイズ除去について
愛媛大学の井上先生より紹介がありました論文です。画像処理をすこしかじっており興味深く感じたのでコメントいたします。
この研究ではfluo-4プローブを用いて時空間的に高解像度のCa2+ transientを測定しています。1点あたりの露光時間が10ナノ秒程度であるため、ノイズが大きくなります。そこで解像度やkinetic propertyを損なうことのないノイズ除去法が試みられています。測定されたCa2+の時間変化は数式で近似され、その数式により画像を再構築します。数式(近似関数)は3種類試され、フィッティングの結果最も残差の少ない関数を採用しています。フィッティングにはMatlabソフトのfminsearch functionが使われています。
この手法はフィルター処理などの画像処理とは異なり、フィッティングであるため近似関数が必要です。また、ピクセル単位でフィッティングしているため、すべてのピクセルについて一つの関数で近似できる画像データでなければなりません。しかし画像をフィッティングして再構築するという発想は自分には無かったのでおもしろく、参考になりました。
   
   本文引用

1 愛媛大学大学院医学系研究科 生化学・分子遺伝学分野  東山繁樹研  井上 博文 高速蛍光撮影時のノイズ除去法 2012/09/11
藤田先生、分かりやすい解説ありがとうございました。Ca流入による電気的変化など一定の反応パターンがあるものには応用できるということと理解しました。
話は少しずれますが、ぶれない様に固定するのがインビボイメージングの基本と考えておりますが、体動など伴う固定が困難なサンプルに対しては、皆様どのような工夫をされていますでしょうか?
      
   本文引用
2 京都大学生命科学研究科  生体制御学  松田道行 Motion artifact 2012/09/14
intravital imagingは動きとの戦いですよね。方策は三つです。一つは、ブレを画像情報から補正するソフトを使うこと、二番目は光学的にブレを補正する方法(OlympusのZDCみたいなものと)、もう一つは、ブレないように固定することです。最後の点は見ないとわからないノウハウが多く、お伝えするのが難しいところです。技術講習会でお伝えしたいと思います。
      
   本文引用


Copyright 「細胞機能と分子活性の多次元蛍光生体イメージング」事務局