PubMedID | 22772730 | Journal | Nat Methods, 2012;9(8);815-8, |
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Title | Multicolor two-photon tissue imaging by wavelength mixing. | ||
Author | Mahou P, Zimmerley M, ..., Debarre D, Beaurepaire E |
多光子イメージングは全くの専門外で、経験はないのですが、これからやる可能性もありますし、なにより画像データがVividだったので(!)紹介いたします。
私の知る限り、多光子イメージングにおいては、1色のパルス光で、多数の蛍光色素を励起する事が多いかと思います。
この論文では、励起光として2色のパルス光(~800 nmと~1100 nm)を時空間的に一致させる事で、3つの蛍光色素を同時に2光子励起する事に成功しています。
具体的には、
・CFP: 850 nmの2光子
・YFP: 850 nmと1100 nmの2光子
・tdTomato: 1100 nmの2光子
という具合です。
1色で励起する場合と違い、2色の強度を調節する事で、3つの蛍光色素の励起効率を微調整する事が可能になります。
これを用いてBrainbowで染め分けられた脳神経組織のタイムラプスイメージングを行なっています。
(さらにTHGを利用して透過像のようなものも同時観察しています)
2つの大きく波長の異なる光で2光子吸収を起こせる事は知りませんでした。
論文では多波長の蛍光相関分光法やFRET等への応用をあげていますが、シンプルなシステムなので色々と応用がありそうですね。
1 | 理研RCAI 免疫細胞動態 岡田峰陽 | パルス同調 | 2012/10/15 |
反応が遅くて申し訳ないですが・・・
これいいですね。以前にもVICの方に書いたかもしれませんが、OPOで安定に1100 nm以長のシグナル光を出すには、入射光は現状では850 nmより長いのを使うのが難しいのですが、入射光を部分的にバイパスして使っても、850 nmと1100 nmではYFPを励起するのが難しくて、大きな問題です。これがパルス同調によるwavelength mixingによって解決されるなら、レーザー2つ搭載するよりずいぶん安くてすむのでしょう。しかし以前、理研のレーザー物理工学の先生がたにお聞きしたところ、パルス同調はそんなに簡単でもないとおっしゃってたのですが、かなり効率よく出来てるみたいで素晴らしいです。 > 多光子イメージングは全くの専門外で、経験はないのですが、これからやる可能性もありますし、なにより画像データがVividだったので(!)紹介いたします。 > > 私の知る限り、多光子イメージングにおいては、1色のパルス光で、多数の蛍光色素を励起する事が多いかと思います。 > この論文では、励起光として2色のパルス光(~800 nmと~1100 nm)を時空間的に一致させる事で、3つの蛍光色素を同時に2光子励起する事に成功しています。 > 具体的には、 > ・CFP: 850 nmの2光子 > ・YFP: 850 nmと1100 nmの2光子 > ・tdTomato: 1100 nmの2光子 > という具合です。 > 1色で励起する場合と違い、2色の強度を調節する事で、3つの蛍光色素の励起効率を微調整する事が可能になります。 > > これを用いてBrainbowで染め分けられた脳神経組織のタイムラプスイメージングを行なっています。 > (さらにTHGを利用して透過像のようなものも同時観察しています) > > 2つの大きく波長の異なる光で2光子吸収を起こせる事は知りませんでした。 > 論文では多波長の蛍光相関分光法やFRET等への応用をあげていますが、シンプルなシステムなので色々と応用がありそうですね。 |
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