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PubMedID 23708969 Journal Nature, 2013 May 26; [Epub ahead of print]
Title Neutrophil swarms require LTB4 and integrins at sites of cell death in vivo.
Author Lammermann T, Afonso PV, ..., Parent CA, Germain RN
京都大学大学院 医学研究科 病態生物医学  松田道行 研究室    水野礼     2013/06/08

In vivoにおける炎症巣への好中球が集積にはLTB4とインテグリンが必要
Ronald N. Germainらが発表した、炎症部への好中球遊走でのLTB4とインテグリンシグナルの関係をin vivo imagingで解明した論文を紹介します。

倒立型二光子顕微鏡を用いてマウス皮膚のin vivo imagingを行いました。予め皮膚を刺激し、好中球を間質に誘導した状態でLaser ablationを行い、?近傍の好中球の集積、?遠隔部の好中球の集積、?好中球の集積後、という3局面の解析を行いました。そして、炎症巣での好中球の細胞死が周囲の好中球のLTB4放出を促し、遠隔部の好中球を呼び寄せているというモデルを導きました。この過程にはインテグリンシグナルは関与しませんでした。さらに、好中球集積部を、second harmonicで観察すると、炎症の中心でコラーゲン線維の消失を認めました。この新構築された環境に好中球が侵入するのに、インテグリンとLTB4の両方が必要であることを発見しました。

炎症巣では各局面に応じて、関与する分子が異なるということを、in vivo imagingだけで綺麗に示した論文だと思います。何よりもサプリのmovieが全15個、200回以上繰り返したという実験量に驚きました。observation driven researchの大変さを改めて感じました。
   
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