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研究課題

可視化基底膜をもちいた3次元構築による基底膜ダイナミクスの解析

研究代表者(所属):伊原伸治(国立遺伝学研究所 多細胞構築研究室・助教)

研究内容

 伊原伸治
 基底膜はin vivoにおいて、細胞に足場を与えるが、同時に細胞の動きを制約する障壁である。線虫C. elegansをもちいて基底膜の可視化を行い、そして三次元構築及び遺伝学を組み合わせた解析を行うことで、次に述べる研究を行う。

 (1) 基底膜の構造を制御する分子メカニズム

  基底膜はシート状の超巨大蛋白質複合体だが、どのように形成されるのか?殆どわかっていない。これまでに基底膜の構造と分泌に異常を示す多数の変異体を樹立している。これらの変異体を解析することで、基底膜制御に関わる原因遺伝子の特定及び分子基盤を明らかにする。

 (2) 基底膜の動態解析及び定量

  線虫C. elegansを用いて様々な基底膜構成蛋白質をGFPやmCherry、光転換型蛍光物質Dendraを用いて可視化に成功した。Dendraは通常、緑色蛍光の特性を持つが、ultra-violetにより赤色蛍光の特性に変化する。私はDendra発現ベクターを用いて、基底膜の主要構成成分のラミニンの可視化に成功した。もう1つの主要構成成分のType IVコラーゲンの動態解析、また緑色蛍光蛋白質GFPを利用したFRAP(Fluorescence Recovery After Photobleaching)により、基底膜動態を明らかにする。さらにDronpaを用いて基底膜の可視化に取り組む。

代表的論文3編

Basement Membrane Sliding and Targeted Adhesion Remodels Tissue Boundaries During Uterine vulval Attachment in C. elegans.
Ihara, S., Hagedorn, E.J., Morrissey, M.A., Chi, Q., Motegi, F., Kramer, J.M. and Sherwood, D.R.
Nat Cell Biol, 13, 641-651, (2011)

Integrin acts upstream of netrin signaling to regulate formation of the anchor cell's invasive membrane in C. elegans.
Hagedorn, E.J., Yashiro, H., Ziel, J.W., Ihara, S., Wang, Z. and Sherwood, D.R.
Dev Cell, 17, 187-198, (2009)

Stage-specific activation of MIG-17/ADAMTS controls cell migration in Caenorhabditis elegans.
Ihara, S. and Nishiwaki, K.
FEBS J, 275, 4296-4305, (2008)


関連HP  国立遺伝学研究所 多細胞構築研究室(http://www.nig.ac.jp/labs/MultiOrg/Multicellular/Ihara.html)

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