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研究課題

受精・着床の生体内蛍光イメージングと不妊・不育の病態解明

研究代表者(所属):伊川正人(大阪大学 微生物病研究所・准教授)

研究内容

 伊川正人
 受精・着床に関する研究領域は、近年の遺伝子組み換え動物を用いた解析により従来の定説が次々と崩壊し、混沌とした状況にある。我々は、蛍光タンパク質により生体標識したトランスジェニック精子や卵子を用いて受精の瞬間を捉えると共に、申請者の開発した胎盤特異的な遺伝子操作により着床・妊娠をin vivoイメージングにチャレンジしている。さらにノックアウトマウスなどのモデル動物と組み合わせて解析を進めることで、不妊・不育の病態解明と治療法開発を目指す。
1. 受精のin vivoライブイメージング
 蛍光タンパク質標識トランスジェニック精子や卵子を用いて、精子が雌性生殖路内で選別される過程から、卵子に到達して受精に至る過程を単一細胞レベルで可視化することを目指す。
2. 着床・妊娠のin vivoライブイメージング
 胎児と母体の接点となる胎盤に着目し、着床・妊娠における細胞間相互作用を可視化する。着床や胎盤機能に係る候補因子についてはノックアウトマウスを作製して、個体レベルで機能解析する。
3. 不妊・不育の病態解明と生殖補助技術の開発
 ノックアウトマウスとライブイメージングを組み合わせて、遺伝子破壊から病態に至る過程を可視化する。不妊・不育の大きな原因である胚性致死(流産)は、胎児そのものでなく胎盤の異常に起因することも多いことから、胎盤特異的遺伝子導入による胎盤機能の評価・改善システムを構築し、着床・妊娠の補助技術開発を目指す。

代表的論文3編

Pravastatin induces placental growth factor (PGF) and ameliorates preeclampsia in a mouse model.
Kumasawa, K., Ikawa, M., Kidoya, H., Hasuwa, H., Saito-Fujita, T., Morioka, Y., Takakura, N., Kimura, T., Okabe, M..
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 108(4), 1451-5, (2011)

Calsperin is a testis-specific chaperone required for sperm fertility.
Ikawa, M., Tokuhiro, K., Yamaguchi, R., Benham, A.M., Tamura, T., Wada, I., Satouh, Y., Inoue, N., Okabe, M.
J. Biol. Chem., 286(7), 5639-46, (2011)

Complementation of placental defects and embryonic lethality by trophoblast-specific lentiviral gene transfer.
Okada, Y., Ueshin, Y., Isotani, A., Saito-Fujita, T., Nakashima, H., Kimura, K., Mizoguchi, A., Oh-Hora, M., Mori, Y., Ogata, M., Oshima, R.G., Okabe, M., Ikawa, M.
Nat. Biotechnol., 25(2), 233-7, (2007)


関連HP  大阪大学 微生物病研究所 附属遺伝情報実験センター - 遺伝子機能解析分野
(http://www.egr.biken.osaka-u.ac.jp/)

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