トップアニメーション

研究課題

生体内で単一シナプス活動を可視化する技術の開発と最適化

研究代表者(所属):喜多村和郎(東京大学大学院 医学系研究科 神経生理学・准教授)

研究内容

 喜多村和郎
 単一ニューロンにおける情報統合メカニズムについて、脳スライス標本を用いた研究から、個々のニューロンが、複雑な非線形演算を行う高度な演算素子としての性質を持つことが明らかとなっている。しかしながら、このような性質が生理的にどのような意義があるかについては、極めて限定的な知見しかない。これは、生理的に意味のあるシグナル(例えば、感覚情報)が、脳内でどのような時空間分布をもってニューロンに入力しているかを調べる方法がなかったためである。
 本研究では、脳内の数百〜数千のシナプスにおける活動を、単一シナプスの分解能で、3次元的に高速で観察するために最適化された2光子顕微鏡システムを開発する。また、新しく開発した顕微鏡で得られる4次元データの画像解析を行う方法ならびに膨大な時系列データから生理情報を抽出するための解析方法を確立する。また、これらの方法は神経科学に限らず幅広い分野において極めて有用であると考えられるため、汎用性のあるハードウェアとユーザーインターフェイスを構築する。さらに、開発した方法を用いて、マウス個体脳内において、単一ニューロンのシナプス活動を3次元的に同時に捉え、感覚シナプス入力の統合メカニズムを明らかにする。

代表的論文3編

Locally synchronized synaptic inputs.
Takahashi, N., Kitamura, K., Matsuo, N., Mayford, M., Kano, M., Matsuki, N. and Ikegaya, Y.
Science, 335, 353-356, (2012)

Targeted single-cell electroporation of mammalian neurons in vivo.
Judkewitz, B., Rizzi, M., Kitamura, K. and Häusser, M.
Nature Protocols, 4, 862-869, (2009)

Targeted patch-clamp recordings and single-cell electroporation of unlabeled neurons in vivo.
Kitamura, K., Judkewitz, B., Kano, M., Denk, W. and Häusser, M.
Nature Methods, 5, 61-67, (2008)


関連HP  東京大学大学院 医学系研究科 神経生理学(http://plaza.umin.ac.jp/~neurophy/Kano_lab/Top.html)

DNA配布サービス
蛍光タンパク質等のhumanized cDNAを配布しています。
動画ギャラリー
「百聞は一見に如かず」
班員の自信作をご覧ください。
バーチャル
 イメージングセンター

蛍光生体イメージングに興味のある研究者をサポートする活動です。
フォーラム
蛍光生体イメージングの技術から応用に関するまでの論文を紹介、評論するサイトです。参加自由ですので、奮ってご参加ください。
実験プロトコルなど
蛍光生体イメージング実験に関するプロトコルからイメージング機器に関する情報まで幅広く技術を紹介します。奮ってご利用ください。
オンライン総説
同仁化学とのタイアップによる本領域計画班員のオンラインの総説です。

ホーム > 研究組織 > 公募班A01 > 研究課題