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研究課題

自己反応性T細胞の胸腺組織内3次元機能的動態イメージング

研究代表者(所属):植田祥啓(関西医科大学 生命医学研究所 分子遺伝学部門・講師)

研究内容

 植田祥啓
 胸腺における自己反応性T細胞の負の選択や機能的選択は、免疫系の自己寛容を成立させ恒常性を保つうえで必須の過程ですが、この過程は自己反応性T細胞と抗原提示細胞が提示している自己抗原・MHC複合体との相互作用により行われることが知られています。しかしながら、胸腺組織内で自己抗原を提示する抗原提示細胞は3次元的に配置されているため、単にT細胞受容体の抗原との親和性だけでなく、自己反応性T細胞の胸腺内移動・局在・抗原提示細胞との接着が胸腺細胞の選択に重要であると考えられます。そのような胸腺細胞の3次元的動態の調節機構や破綻の過程は未だ解明されていません。
 我々はこれらの問題を解決するために2光子励起顕微鏡による3次元タイムラプスイメージングで胸腺組織内の胸腺細胞の動態を追跡するだけでなく、蛍光のT細胞の活性化や分化マーカーを遺伝子導入することにより、自己反応性T細胞が抗原提示細胞と接着して活性化し選択を受ける過程を可視化する実験系を確立することを目的とします。この実験系を自己の選択に異常のある遺伝子導入または欠損マウスの胸腺細胞の動態解析に応用して自己反応性T細胞の選択の調節メカニズムを解明したいと考えています。

代表的論文3編

Mst1 regulates integrin-dependent thymocyte trafficking and antigen recognition in the thymus.
Ueda, Y., Katagiri, K., Tomiyama, T., Yasuda, K., Habiro, k., Katakai, T., Ikehara, S., Matsumoto, M., Kinashi, T.
Nat Commu, 3, #1098, (2012)

Mst1 controls lymphocyte trafficking and interstitial motility within lymph nodes.
Katagiri, K., Katakai, T., Ebisuno, Y., Ueda, Y., Okada, T., Kinashi, T.
EMBO J, 28, 1319-1331, (2009)

Deficiency of Rap1-Binding Protein RAPL Causes Lymphoproliferative Disorders through Mislocalization of p27kip1.
Katagiri, K., Ueda, Y., Tomiyama, T., Yasuda, K., Toda, Y., Ikehara, S., Nakayama, I.K. and Kinashi, T.
Immunity, 34, 24-38, (2011)


関連HP  関西医科大学 生命医学研究所 分子遺伝学部門(http://www3.kmu.ac.jp/molgent/index.html)

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