多次元蛍光イメージングによる下垂体後葉ホルモン分泌・局所神経回路の可視化と光制御
研究代表者（所属）：上田陽一（産業医科大学 医学部 第1生理学・教授）
研究内容
我々はバゾプレッシン-eGFP融合遺伝子およびオキシトシン-mRFP1融合遺伝子を特異的に発現するトランスジェニックラットを用いて下垂体後葉ホルモンを産生する神経分泌ニューロンを可視化することに加え、最近、神経活動の指標として汎用されているc-fos遺伝子発現を蛍光タンパク（eGFPおよびmRFP1）により可視化することができた。そこで、バゾプレッシン-eGFP、オキシトシン-mRFP1トランスジェニックラットとc-fos-eGFP、c-fos-mRFP1トランスジェニックラットとの交配により得られるダブルトランスジェニックラットでは、バゾプレッシンもしくはオキシトシン（細胞質に限局）の動態と同時にc-fos 遺伝子発現(細胞核内に限局)を経時的に観察できることに着目した。
本研究課題では、これらのトランスジェニックラットを用いた下垂体後葉ホルモンの脳内での分泌動態の可視化、高次脳機能における下垂体後葉ホルモンの生理的役割と神経回路の可視化、さらにはその光制御を行いたい。
代表的論文3編
Highly visible expression of an oxytocin-monomeric red fluorescent protein 1 fusion gene in the hypothalamus and posterior pituitary of transgenic rats.
Katoh, A., Fujihara, H., Ohbuchi, T., Onaka, T., Hashimoto, T., Kawata, M., Suzuki, H., and Ueta, Y.
Endocrinology, 152(7), 2768-2774, (2011)
The hypothalamic-neurohypophyseal system: from genome to physiology.
Murphy, D,. Konopacka, A., Hindmarch, C., Paton, J.F., Sweedler, J.V., Gillette, M.U., Ueta, Y., Grinevich, V., Lozic, M., Japundzic-Zigon, N.
J Neuroendocrinol, 24(4), 539-553, (2012)
A c-fos-monomeric red fluorescent protein 1 fusion transgene is differentially expressed in rat forebrain and brainstem after chronic dehydration and rehydration.
Yoshimura, M., Okubo, J., Katoh, A., Ohno, M., Ishikura, T., Kakuma, T., Yoshimatsu, H., Murphy, D., Ueta, Y.
J Neuroendocrinol, Jan 27, (2013)
関連HP 産業医科大学 医学部 第1生理学講座（http://www.uoeh-u.ac.jp/kouza/1seiri/intro_j.html）
ひらめき☆ときめきサイエンス〜ようこそ大学の研究室へ〜KAKENHI
「神経活動を自分の目で見よう！〜蛍光イメージングを用いて〜」（2012年7月16日）を実施しました。
