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研究課題

神経情報書込の分子機構解明を目指した CaM キナーゼ活性プローブ開発と多重可視化

研究代表者(所属):尾藤晴彦(東京大学大学院 医学系研究科・准教授)

研究内容

 尾藤晴彦
 神経情報は、膜電位の上昇下降と神経伝達物質放出によって発生する。そして、神経伝達物質受容に引き続くシナプス電位の変化は、神経細胞内で電気的シグナルと化学的シグナルの両者を生成する。特に、神経可塑性はこの両者の絡み合いから成り立っていると考えられるが、化学的シグナルの全貌は、変化するシグナル毎に別個の定量技術を開発する必要があるため、解明が遅れている。本研究課題では、神経活動依存的な化学的シグナル伝達過程を構成する素過程の代表例としてCa2+-カルモジュリン依存性蛋白リン酸化酵素(CaMK)を取り上げ、その酵素活性ダイナミクスが生きた神経細胞内でどのような実時間変化を遂げるか測定可能な実験システムを開発する。さらに、神経細胞におけるFRET測定の多重化を試み、セカンドメッセンジャー濃度変化と酵素活性の同時計測や、複数の酵素活性の同時測定を試みる。

代表的論文3編

The chemical biology of synapses and neuronal circuits.
Bito, H.
Nature Chem. Biol., 6, 560-563, (2010)

Regulation of cortical axon growth by a GABA-driven Ca2+/calmodulin-dependent protein kinase cascade.
Ageta-Ishihara, N., Takemoto-Kimura, S., Nonaka, M., Adachi-Morishima, A., Suzuki, K., Kamijo, S., Fujii, H., Mano, T., Blaeser, F., Chatila, T.A., Mizuno, H., Hirano, T., Tagawa, Y., Okuno, H., Bito, H.
J. Neurosci., 29, 13720 -13729, (2009)

Regulation of dendritogenesis via a lipid raft-associated Ca2+/calmodulin- dependent protein kinase CLICK-III/CaMKIγ.
Takemoto-Kimura, S., Ageta-Ishihara, N., Nonaka, M., Adachi-Morishima, A., Mano, T., Okamura, M., Fujii, H., Fuse, T., Hoshino, M., Suzuki, S., Kojima, M., Mishina, M., Okuno, H., Bito, H.
Neuron, 54, 755-770, (2007)


関連HP  東京大学大学院 医学系研究科 脳神経医学専攻 神経生化学教室
(http://www.neurochem.m.u-tokyo.ac.jp/)

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