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研究課題

生体内蛋白質翻訳後修飾イメージング

研究代表者(所属):木村 宏(大阪大学 生命機能研究科・准教授)

研究内容

 木村 宏
 細胞の機能発現には、遺伝子発現レベルの制御に加えて、蛋白質の翻訳後調節が重要です。特に、ヒストンの多彩な翻訳後修飾は、エピジェネティクス制御において主要な役割を果たしています。我々は、ヒストン修飾特異的抗体からクローニングした一本鎖可変領域(scFv; single-chain variable fragment)をGFP融合蛋白質として細胞内で発現させることで、内在性ヒストンの修飾を動物培養細胞や個体レベルで可視化することに成功しました。
 本研究では、この蛍光蛋白質融合scFvを用いて、生体内で蛋白質翻訳後修飾のイメージング系を確立します。具体的には、次の3点を目的に研究を行います。
(1) 分子内FRET系をscFvプローブに導入し、高シグナルノイズ比のリアルタイム修飾モニター系を構築する。
(2) ヒストン、RNAポリメラーゼII、及びオーロラキナーゼの翻訳後修飾特異的scFvプローブの新規開発を行い、内在性蛋白質の翻訳後修飾可視化プローブの効率的な作製技術を確立する。
(3) マウス胚の生体イメージングにより、細胞分化に伴うエピジェネティック変化をヒストンH3のアセチル化とX染色体不活性化に着目して明らかにする。
 本研究の推進により、マウスの発生過程におけるヒストン翻訳後修飾の制御を明らかにすることができるのに加え、内在性蛋白質の翻訳後修飾の生体イメージング技術の基盤が確立できると期待できます。

代表的論文3編

Tracking epigenetic histone modifications in single cells using Fab-based live endogenous modification labeling.
Hayashi-Takanaka, Y., Yamagata, K., Wakayama T., Stasevich, T.J., Kainuma, T., Tsurimoto, T., Tachibana, M., Shinkai, Y., Kurumizaka, H., Nozaki, N. and Kimura, H.
Nucleic Acids Res, 39, 6475-6488, (2011)

Visualization of DNA methylation and histone modifications in living cells.
Kimura, H., Hayashi-Takanaka, Y. and Yamagata K.
Curr Opin Cell Biol, 22, 412-418, (2010)

Visualizing histone modifications in living cells: spatiotemporal dynamics of H3 phosphorylation during interphase.
Hayashi-Takanaka, Y., Yamagata, K., Nozaki, N. and Kimura, H.
J Cell Biol, 187, 781-790, (2009)


関連HP  大阪大学生命機能研究科 細胞核ダイナミクス研究室 木村グループ
(http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/hiraoka/kimura/index.html)

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