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研究課題

研究課題名:細胞内情報伝達系の多次元FRETイメージング

研究代表者(所属):松田道行(京都大学大学院 生命科学研究科・教授)
分担研究者:清川悦子

研究内容

 松田道行
 過去十年のFRET バイオセンサーの開発期間を経て、私たちは次なるステップに進もうとしています。平面培養細胞からの脱却です。硬いプラスチック底の上に成育した培養細胞と、やわらかい細胞外基質に囲まれた3次元の細胞とではその性質が大きく異なることが認知され始めています。もう一つ、この2次元培養細胞と3次元組織中の細胞との大きな違いは、前者が均一な細胞集団とみなせるのに対し、後者は様々な形態や機能を有する多様な細胞集団である点です。わたしたちは生体に近い3次元環境での細胞内情報伝達のメカニズムをFRETバイオセンサーを使って明らかにします。まず、細胞のがん化過程をFRET バイオセンサーで可視化することを目指します。また、私たちは研究をさらに一歩先に進めるために、ex vivo あるいは in vivo でのFRET イメージングを、二光子励起顕微鏡を用いてチャレンジします。まず、2光子励起顕微鏡で使用できるFRET バイオセンサーを開発し、組織内を浸潤する脳腫瘍において、低分子量Gタンパク質やセリンスレオニンリン酸化酵素がどのような活性分布をとるのか時空間的に明らかにします。そして、これらの情報伝達分子の個体レベルでの意義を明らかにしていく予定です。

代表的論文3編

Visualization of small GTPase activity with fluorescence resonance energy transfer-based biosensors.
Aoki, K. and Matsuda, M.
Nat Protoc, 4, 1623-1631, (2009)

Imaging of Rab5 activity identifies essential regulators for phagosome maturation.
Kitano, M., Nakaya, M., Nakamura, T., Nagata, S. and Matsuda, M.
Nature, 453, 241-245, (2008)

Spatio-temporal images of growth factor-induced activation of Ras and Rap1.
Mochizuki, N., Yamashita, S., Kurokawa, K., Ohba, Y., Nagai, T., Miyawaki, A. and Matsuda, M.
Nature, 411, 1065-1068, (2001)


関連HP  京都大学大学院 生命科学研究科 生体制御学 医学研究科 病態生物医学(松田研)
(http://www.lif.kyoto-u.ac.jp/labs/fret/)

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