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研究課題

分割 Rluc-Venus を用いたシナプス形成・消失のリアルタイムイメージング

研究代表者(所属):齊藤健太(東京医科歯科大学 医歯学総合研究科 神経機能形態学分野(寺田研究室)・助教)

研究内容

 齊藤健太
 これまで様々な光学的特性をもつ蛍光タンパク質や蛍光機能プローブが開発され、細胞周期や情報伝達分子の活性状態など、これまで生化学的にしか知ることのできなかった分子や細胞の機能情報が可視化できるようになりつつある。一方で、細胞間の情報を可視化する技術は未だ多くはない。近年になり、シナプス結合を可視化するための技術としてGFP Reconstruction Across Synaptic Partners (GRASP)が開発され、これまで細胞・組織を固定し電子顕微鏡観察において確認するしか方法が無かったシナプス形成を、生きた細胞・個体で確認できる方法として非常に有用である。しかしながら、GRASPはGFPを使う上で避けられない、時間分解能と可逆性に関する問題を有している。そこで本研究では、神経細胞間の相互作用であるシナプス結合の形成・消失を可視化する技術を新規に開発することを目的とする。このシナプス形成の検出は分割GFPではなく分割ルシフェラーゼの構造回復とそれに伴うルシフェラーゼから蛍光タンパク質への超高効率な生物発光エネルギー移動(BRET)を原理とする。化学発光は暗くイメージングには向かないと考えられてきたが我々はこれまで高効率なBRETにより化学発光量を増大させ、細胞内小器官を実時間で鮮明に可視化することに成功している。このプローブの開発を通じて化学発光を用いた新たなイメージング技術の確立を目指す。

代表的論文3編

Auto-luminescent genetically-encoded ratiometric indicator for real-time Ca2+ imaging at the single cell level.
Saito, K., Hatsugai, N., Horikawa, K., Kobayashi, K., Matsu-Ura, T., Mikoshiba, K., and Nagai T
PLoS ONE, 5, e9935, (2010)

Visualization of ATP levels inside single living cells with fluorescence resonance energy transfer-based genetically encoded indicators.
Imamura, H., Nhat, K.P.H., Togawa, H., Saito, K., Iino, R., Kato-Yamada, Y., Nagai, T., Noji, H.
Proc. Natl. Aca. Sci. USA, 106, 15651-15656, (2009)

An ultramarine fluorescent protein with increased photostability and pH insensitivity.
Tomosugi, W., Matsuda, T., Tani, T., Nemoto, T., Kotera, I., Saito, K., Horikawa, K., and Nagai, T.
Nature Methods, 6, 351-353, (2009)


関連HP  東京医科歯科大学 医歯学総合研究科 神経機能形態学分野(http://www.tmd.ac.jp/grad/nana/nana-J.htm)

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