Virtual Imaging Center
トップ検索ご質問
modified   2013-06-11


----  ----    松田道行     2012/02/22

Fucciマウスの判別法
Fucciマウスを使っている方へ:
New Born Mouseの判別法はどのようにしていますか?PCRをせずに、KO(オレンジ色)の励起用ライト(http://www2.brc.riken.jp/lab/animal/detail.php?brc_no=RBRC02892)とGFPの励起用ライトを使って区別できたりはしませんか?簡便な方法をご存じの方があればご教示ください。
   
   本文引用

1 ----  ----  北野正寛 Fucci genotyping 2012/02/22
うちのラボでは、FucciRed に関しては末梢血のFACS (PE channel) により判定しています。homo, hetero も簡単に判別できます。ただ、FucciGreen+ の細胞は末梢血中にほとんどいないので、Green に関してはやむなく尻尾の PCRしています。私もいい方法知りたいです。
      
   本文引用
2 ----  ----  北野正寛 new born 2012/02/22
血を採るとなると、早くても3週くらいになってないときついので new born とは言わないですね。。失礼しました。
      
   本文引用
3 ----  ----  阪上ー沢野朝子 Fucci マウス判別法 2012/02/22
Fucci に関するご質問ありがとうございます。
Fucci マウスラインは理研バイオリソースセンターに寄託しており、情報は下記サイトにあります。
http://www2.brc.riken.jp/lab/animal/results.php

genotypingは、Green マウス同様、新生仔の蛍光確認で可能です。
プロトコルそのままで掲載致します。
(LEDフラッシュライト+励起フィルター+板ガラス)
Whole-body visualization of Fucci mice with a flashlight:
Check the Fucci S/G2/M-Green expressing mice at 1-4 days after birth by using blue LED flashlight through a sharp-cut filter in the dark box. Visualizing device: blue LED flashlight (470 nm, LEDB-3W, RU Trading Ltd., Tokyo, Japan), excitation filter (S470/30 filter, Omega Optical Inc., Vermont, USA), sharp-cut filter (500 or 520 nm, SCF-50S-50Y or SCF-50S-52Y, Sigma Koki Co., Ltd., Tokyo, Japan)

Check the Fucci G1-Red expressing mice at 1-4 days after birth by using green LED flashlight through a green band-pass filter in the dark box. Visualizing device: green LED flashlight (535-540 nm, LEDG-3WRF, RU Trading Ltd., Tokyo, Japan), excitation filter (535AF26 filter, Omega Optical Inc., Vermont, USA), green band-pass filter (red filter, supplied with LEDG-3WRF).

蛍光確認のみでホモ、ヘテロも判別可能です(慣れが必要ですが)。
血球系に強いラインであっても、新生仔の蛍光確認が可能です。

最初、慣れるまでは、実験室に降ろして来て、蛍光実体顕微鏡で確認をすると、目が慣れてくると思います。そろそろ5年くらい観てますが、失敗はほぼありません。PCRしないでその場で分別出来るので何より楽です。蛍光ならでは!です。

また、何かあれば、ご質問くださいませ。
      
   本文引用
4 ----  ----  北野正寛 アダルト 2012/02/22
沢野先生
なるほど、ありがとうございます。ちなみに私は4週齢くらいの離乳時期以降で、B6.B6D2-Tg(Fucci)492Bsi と B6.B6D2-Tg(Fucci)639Bsi (←これらが、血球系に強いラインですよね?)doubleTG の homo, hetero を精度よく(できれば簡便に)識別できるタイピング法があればお教えいただきたいのですが、いかがでしょうか?
      
   本文引用
5 ----  ----  阪上ー沢野朝子 double TG 2012/02/23
私の行っているFucci double TG を得る方法を説明します。

G1-Red, S/G2/M-Green それぞれのラインは、ヘテロで維持します。
ヘテロ同士の掛け合わせでホモを得ます。(ホモの維持は行いません)
G1-Red, S/G2/M-Green それぞれのホモ(もしくはヘテロ)を掛け合わせてdouble TG を得ます。

これが数年かけてたどり着いた、1番確実な方法だと思っています。
蛍光確認のみでダブルまで得る事が可能です。

今回のラインはトランスジェニックであるため、Fucci 遺伝子は複数箇所に複数個インテグレートされていると思います。サイレントもあり、マウスをホモで維持するのは、いろいろな意味で問題がありそうです。よって面倒ですが、上記のように行っています。

蛍光確認は、生後2,3日で行うのが1番楽で、確実だと思います。
SPFに暗室を作るのはとても大変で、実際宮脇研では、暗幕を持ち込み、それをかぶって確認を行っています。蛍光実体を持ち込めるのが理想ですね。

生後4週ともなると、Red(+),Red(++)が出てくると思います。cycling G1 とarrested G1/postmitotic の区別が出来ます。 これと、ヘテロ、ホモとの区別とは注意しないといけません。 またGreen の検出はPCRになるのかと思います。

ずっと光り続けているインディケータであれば、このような面倒はないのですが・・・
もっと簡便なアイデアがあれば是非ご連絡ください!

      
   本文引用
6 ----  ----  北野正寛 Fucci genotyping 2012/02/23
お返事有難うございます、大変参考になります。

なるほど、複数コピー入っている可能性あるのですね。

FucciG1-Redに関しては、FACSで白血球全体にざっくりゲートする限りでは、当然ブロードですが、右肩よりのそれなりに single peak な(?)集団に見え、どの個体も毎回 hetero, homo に相当する同じ蛍光強度のところにピークが来ます。

いつも同一ケージで遺伝子座の異なるマウス同士を複数匹かけてしまっているのでちゃんと調べてないですが、mendelian に従って出てきているように見えます。(S/G2/M-Greenも)

というわけで、すっかり安心しておりました。もっと注意深く観察&維持する必要がありますね。
      
   本文引用
7 ----  ----  阪上ー沢野朝子 トランスジェニックマウスの継代 2012/02/24
北野先生
貴重な情報をありがとうございます。

今、公開しているFucciマウスラインに関しましては、ほぼ全てmendelian に従っていると思います。私はマウスの継代に関しまして、まだまだ素人なので、間違った事を言うかもしれませんが、キメラからF1,F2,F3と継代を重ねるに従い、mendelianを維持する事が安定してきたように感じています。

また、試行錯誤の段階で、S/G2/M-Green ラインの#504をホモで維持したもので、神経幹細胞画分における発現低下がありました。
この理由を考えた時に、複数箇所へのサイレントを含めたインテグレーションの可能性が浮かびました。
よって、それ以後は、ヘテロでの維持を心がけています。この場合、神経幹細胞での発現は良好です。

ただ、こうした現象はライン毎、目的とする細胞毎に異なると思われます。
皆様のフィードバックはとても貴重ですし、共有していけるとうれしいです。

      
   本文引用
8 ----  ----  北野正寛 Kaede, KikGR 2012/02/24
沢野先生

現在掛け合わせているラインに関しては、複数コピー入っていたとしても、一本の染色体に納まってくれている可能性が非常に高そうですね。(たしかブレインボーもそうだったような?)
ホモにすると発現が低下するということは、インテグレーションされた場所にある遺伝子の表現型なのかもしれないですね。TGをつくるのはむずかしいですね。。

ところで全然別件なのですが(別スレ立てろと突っ込まれそうですが)、どなたか、Kaede や KikGR の、二光子励起による photoconversion を試された方はいらっしゃいませんか?私は KikGRなのですが、ぜんぜんうまくいかずへこたれた経験があります。波長も 700~850 nm あたりでいろいろ振ってみましたが、いずれも微動だにしませんでした。ちなみに、注目細胞が水銀光源下でphotoconversionされるのは確認済みです。ご教授くだされば幸いです。よろしくお願いします。
      
   本文引用
9 ----  ----  後藤明弘 photoactivatable fluorescence protein 2012/02/25
北野先生

ご無沙汰いたしております。
参考になるかわかりませんが、2010年のsfnのポスターでIMPのSimon Rumpel のラボから関連のあるデータがありました。
Dendra2, Kaede,KiKGR, PA-RFPは軒並み2光子ではうまくいかないという報告でした。自分のポスター発表とかぶっていたので話は聞けませんでしたが、波長を振って色々試した結果だと思います。
PA-GFP(740刺激、950観察)PS-CFPII (740刺激、940観察)PamCherry(800-880刺激、950観察)はうまくいくようです。
PA-GFPに関しては、刺激後43時間までは明るいそうです。
当時はThy-1プロモータでトランスジェニックを作成中だったのですが、HPを見ると、どうやらうまくいっているようです。
      
   本文引用
10 ----  ----  北野正寛 Kaede, KikGR 2012/02/25
沢野先生

現在掛け合わせているラインに関しては、複数コピー入っていたとしても、一本の染色体に納まってくれている可能性が非常に高そうですね。(たしかブレインボーもそうだったような?)
ホモにすると発現が低下するということは、インテグレーションされた場所にある遺伝子の表現型なのかもしれないですね。TGをつくるのはむずかしいですね。。

ところで全然別件なのですが(別スレ立てろと突っ込まれそうですが)、どなたか、Kaede や KikGR の、二光子励起による photoconversion を試された方はいらっしゃいませんか?私は KikGRなのですが、ぜんぜんうまくいかずへこたれた経験があります。波長も 700~850 nm あたりでいろいろ振ってみましたが、いずれも微動だにしませんでした。ちなみに、注目細胞が水銀光源下でphotoconversionされるのは確認済みです。ご教授くだされば幸いです。よろしくお願いします。
      
   本文引用
11 ----  ----  北野正寛 photoconversion 2012/02/25
さっき、まちがって過去のメッセージを再送してしまいました。失礼しました。

後藤君

どうもありがとう。なるほど、、、、実は私も、よそでもうまくいかなかった、という話を聞いています。謎は深そうですね。4月から留学したら本気で試してみたいので、引き続き情報提供よろしくお願いします。
      
   本文引用


Copyright 「細胞機能と分子活性の多次元蛍光生体イメージング」事務局