訳あって数種のGFPを比較することがあってので、報告します。
比較したのは以下の4種類
mEGFP, Wasabi, mEmerald, mClover
あるタンパク質とGFPを融合させ、それぞれES細胞で発現させました。
結果としては論文の報告どおり断然明るいです。
mClover >> wasabi, mEmerald >EGFP
蛍光強度を定量したわけではなく、あくまで顕微鏡で取得した画像をもとにした感覚的なものですが、違いは明らかです。mCloverをつかってTime lapse (4 min interval, 14 z-section, 130 time frame, 9 hrs)しても特にphotobleachは感じませんでした。
実は4種のGFPを比較したのは、蛍光強度を調べたかったのではなく、細胞内局在を検討するためでした。mEGFPとあるタンパク質Xを融合させると目的の細胞内局在以外に、核小体に局在することがわかりました。mCherryでは核小体の局在は見られず、本来の局在位置をしめしたので、核小体ヘの局在はmEGFPによるものと判断しました。なので、核小体への不本意な局在を打破するために、他のGFPを検討したという次第です。
結局mClover(A206K)にすると核小体の局在はなくなり、目的の局在を示しました。
mCloverはEGFPのmutantですが、そういうこともあるんだという話です。
1 | ---- ---- 松田道行 | 論文増えてますね | 2012/11/10 |
貴重なデータをありがとうございました。mCloverがそんなにいいとは知りませんでした。査読する論文やGrant proposalに多いので、動向は感じていましたが直接比較した話は聞いたことがなかったものですから。市販されてるんでしたか? | |||
2 | ---- ---- 宮成悠介 | 2012/11/12 | |
CloverとmRuby2はAddgeneから入手しました。
筆者に相談して、monomerにするためA206Kにしても明るさ等に問題ないとのことだったので、自分で変異体を作りました。 |
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3 | ---- ---- 岡田康志 | mNeonGreen | 2013/04/03 |
はじめまして。
今年度から公募班としてお世話になります。 さて、mCloverについては、私どももAddgeneから入手して使っておりますが、 やはり明るさでは、mClover > Wasabi, AcGFP > EGFP と報告通りに明るいです。Photostabilityについては、1分子イメージングのために強力な励起光を導入するとEGFPより早く褪色する印象があります。 昨年末のアメリカ細胞生物学会でAllele Biotechの方が発表していたmNeonGreenがNature Methodsに先日publishされましたが、触れ込みではmCloverより更に明るいとか。残念ながら、同社はライセンスポリシーを変更して、研究室個別にではなく学部・研究所単位で一括のライセンスにするということで、未だ実際に入手して試すには至っておりません。 http://www.nature.com/nmeth/journal/vaop/ncurrent/full/nmeth.2413.html |
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