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modified   2013-06-11


----  ----    松田道行     2011/11/02

PSmOrange & iRFP 使用レポート
お待たせしました。PSmOrange & iRFPのhumanized cDNAを合成し、HeLa細胞に発現させました(論文はフォーラムのほうをご覧ください)。当研究室の上岡裕治君のレポートを下記に転載します。cDNAをご希望の方は、松田までメールください(アカデミックユーズに限ります)。

顕微鏡: 京大ライカイメージングセンターのご協力に感謝します
TCS SP5 II
高速ガルバノ プリズム+スリット分光(400‐800 nm)
Laser 405, 457,488, 514, 561, 633 nm
Lens 10x (0.4) dry, 20x (0.7) dry, 40x (0.85) dry, 40x (1.3) oil, 63x (1.4) oil, 63x (1.3) glc
HyD GaAsPハイブリッド検出器2基、PMT 1基搭載

1.PSmOrange expressed in HeLa cellにてphotoconversion (@488 nm)を確認
感想:Far‐redが思っていたよりも暗い。500 nm前後の光でphotoconversionするので水銀/Xeランプ下で細胞を探している間にOrange→far‐redになってしまう。

2.iRFP expressed in HeLa cell
633 nm励起で、680‐800 nm蛍光を撮った。633 nm励起では十分な励起はできないものの使えそう。
   
   本文引用

1 ----  ----  今村健志 是非希望します 2011/11/02
松田先生

  ご連絡ありがとうございます。是非、希望しますので、後ほどメールを差し上げます。

  ところで、humanized cDNAについてはmammalian cellでの発現効率が上がるという理解で良いのでしょうか? また、それは、codonussageが関係しているのでしょうか? (以前に情報を頂いていたらすみません)

  誰かご経験やご意見ありましたら、是非投稿してください。

> お待たせしました。PSmOrange & iRFPのhumanized cDNAを合成し、HeLa細胞に発現させました(論文はフォーラムのほうをご覧ください)。当研究室の上岡裕治君のレポートを下記に転載します。cDNAをご希望の方は、松田までメールください(アカデミックユーズに限ります)。
>
> 顕微鏡: 京大ライカイメージングセンターのご協力に感謝します
> TCS SP5 II
> 高速ガルバノ プリズム+スリット分光(400‐800 nm)
> Laser 405, 457,488, 514, 561, 633 nm
> Lens 10x (0.4) dry, 20x (0.7) dry, 40x (0.85) dry, 40x (1.3) oil, 63x (1.4) oil, 63x (1.3) glc
> HyD GaAsPハイブリッド検出器2基、PMT 1基搭載
>
> 1.PSmOrange expressed in HeLa cellにてphotoconversion (@488 nm)を確認
> 感想:Far‐redが思っていたよりも暗い。500 nm前後の光でphotoconversionするので水銀/Xeランプ下で細胞を探している間にOrange→far‐redになってしまう。
>
> 2.iRFP expressed in HeLa cell
> 633 nm励起で、680‐800 nm蛍光を撮った。633 nm励起では十分な励起はできないものの使えそう。
      
   本文引用
2 ----  ----  松田道行 humanized 2011/11/02
humanizedにしてどれくらいよくなるかはケースバイケースだと思いますが、PhyB(だったかな?)の場合は、かなりよくなりました。全合成するといいのは、humanizedできること、制限酵素のサイトが自由自在というところですね。今後も、総括班の活動の一つとしてやっていきたいと思います。DNAの全合成に時間がかかりますが、MTAをかわしている時間やあとの煩わしさを考えると、メリットが多いと思います。
      
   本文引用
3 ----  ----  今村健志 humanized cDNA 2011/11/02
なるほど、今後導入を考えてみます。誰か経験がある方がいましたら、是非コメントお願いします!


> humanizedにしてどれくらいよくなるかはケースバイケースだと思いますが、PhyB(だったかな?)の場合は、かなりよくなりました。全合成するといいのは、humanizedできること、制限酵素のサイトが自由自在というところですね。今後も、総括班の活動の一つとしてやっていきたいと思います。DNAの全合成に時間がかかりますが、MTAをかわしている時間やあとの煩わしさを考えると、メリットが多いと思います。
      
   本文引用
4 ----  ----  北野正寛 PSmOrange に関する質問 2011/11/02
松田先生、上岡さん

理研 免疫細胞動態研究ユニット(岡田研)の北野です。
たいへん貴重な情報ありがとうございます。

私も PSmOrange に強い興味を持っています。そのうえで、上岡さんのレポートで一つ気になることがあり質問差し上げます。

>500 nm前後の光でphotoconversionするので水銀/Xeランプ下で細胞を探している間にOrange→far‐redになってしまう。

とのことですが、実際の confocal によるデータ取得時には、このような現象は観察されませんでしたか?
(ちなみに orange のイメージングは 561 nm のレーザーで、far-red のイメージングは 633 nm のレーザーで行われましたよね?)

なぜこんなことをお尋ねするかと言いますと、
論文のなかには excitation peak である 548 nm 付近の励起フィルター (540/20) を用いて photoconversion している例もありますよね。
これはつまり、オレンジを観察しようとするといずれかならず far-red になってしまう、ということを意味しているのでは。。。と不安になったためです。

とはいえ、図を見ると目立ってそんな雰囲気でもない。

ちなみに Online methods を読むと、いちおう観察用はパワーを 1/9~1/3 程度にしているようです。
それで十分なのか、それともちょっとずつ far-red に変換されていく中で、だましだまし(?)使っていくことになるのか。
後者ならちょっと残念なかんじですが。

PSmOrange に限らず、photoconversion の実験をされたことのある方など、関連したことで貴重なご意見等いただけると大変幸いです。
よろしくお願い致します。
      
   本文引用
5 ----  ----  上岡 裕治 PSmOrangeのphotoswitchに関して(再回答) 2011/11/03
(さきほどuploadしたコメントが表示されなかったので再投稿です)

ご質問ありがとうございます。

北野さんのご指摘の通り、観察中にOrange→far-redへのphotoswitchは起こり得ることだと思います。supplementary fig. 2では540nmでもかなりphotoswitchしていますので560nm前後でもphotoswitchは起こり得ると思います。この点は注意しながら使わないといけないと思います。

ただし、今回試した実験では488nm Laser(※)でpowerを最大にして60秒ほど照射しないとphotoswitchしませんでした。論文でも照射60秒だったと思います。ですからかなり強い光を照射しないとphotoswitchしないようです。

※今回使用したレーザーの出力は調べていません。
      
   本文引用
6 ----  ----  北野正寛 Re: PSmOrangeのphotoswitchに関して(再回答) 2011/11/03
上岡さん

早速のご回答、ありがとうございます。

なるほど、PSmOrange の photoconversion 自体が起こりにくいわけですね。参考になります。
それにしても培養細胞に 488 nm パワー最大で 60 sec って、、、直感的に、生体内の二光子観察でそれ相当の照射を行うのは不可能では?などと思ったりしますが、これも自分たちのセットアップで試してみない限りにはわかりませんね。
      
   本文引用
7 ----  ----  三輪 佳宏 humanizedの効果 2011/11/04
> humanizedにしてどれくらいよくなるかはケースバイケースだと思いますが、

私のところで、これまでにいくつかの蛍光タンパク質をhumanizedにして全合成し、同じEBV-based vectorからヒトのHEp-2細胞に発現させて、FACSで平均蛍光強度を比べた経験では、もとの生物種のままの配列に比べて、だいたい5倍ぐらい明るくなる、というのが目安でした。本当にザックリした話で恐縮ですが。
FACSだと、ちょこっとシフトするぐらいの感じですが、顕微鏡だとかなり改善して見えました。

>PhyB(だったかな?)の場合は、かなりよくなりました。全合成するといいのは、humanizedできること、制限酵素のサイトが自由自在というところですね。今後も、総括班の活動の一つとしてやっていきたいと思います。

松田先生、素晴らしい取り組みだと思います!  是非、今後もよろしくお願いします!
      
   本文引用


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