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modified   2013-06-11


----  ----    榊原明     2012/01/14

iRFP使用レポート その2
Histone-H2B-iRFP融合蛋白質を作って、LynN-EGFP(膜移行型EGFP)、PACT-mKO1(中心体局在型mKO1)と一緒にE12マウス胎仔脳に遺伝子導入、スライス培養下でニューロンの細胞形態、核、中心体の挙動を3色ライブ観察してみました。使用したシステムは以下のようになります。

OLYMPUS FV1000
UPLFL 40X (NA 0.75) objective
LynN-EGFP: 1.0% 473 nm (BA 490-540)
PACT-mKO1: 1.8% 559 nm (BA 575-620)
H2B-iRFP: 7.0% 635 nm (BA 655-755)

非常に暗いのでレーザーパワーを高めにする必要がありますが、同時に発現させたEGFPやmKO1と比べてタイムラプスをかけても目立った退色は感じられず、使えそうな印象を持ちました。
   
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1 ----  ----  松田 道行 宣伝よろしく 2012/01/14
榊原さん: レポートありがとうございます。配布は新学術領域内で限定というわけではありませんので、宣伝よろしくお願いします。「蛍光生体イメージ」領域は、パンフレットやNewsを配ったり、シンポジウムをやったりという活動は全くやっておりませんが、情報や材料の発信、あるいは技術講習会等で研究の発展に貢献したいと思いますのでよろしくお願いします。
      
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2 ----  ----  宮成悠介 iRFP使用感 2012/11/05
初めまして。
領域メンバーではありませんが、ずいぶん前に榊原様からH2B-iRFPのコンストラクトを分与していただいていました。最近になってiRFPを試す機会があったので、レポートさせていただきます。

iRFPはDimer形成があるということで、iRFPをtandem dimerにしたH2B-tdiRFPを作成しました。ideaはtdTomatoと同じで、分子内でdimer形成させpeudo monomer化しようということです。

ES細胞にH2B-tdiRFP、mClover, mRuby2を発現させて、3色のLive imagingをしました。
12時間のタイムラプスでもiRFPのシグナルはブリーチすることなく、検出することができました。
この際、BVは培地に添加していません。
H2B-tdiRFPの細胞毒性等はちゃんと調べていませんが、細胞の様子を見る限り楽観的です。
第三の色として今後使って行こうと思います。

簡単な条件は以下、
Spinning disk confocal with EMCCD
x63 oil objective, NA 1.4
488 nm, 8%, 200 msec
560 nm, 12%, 200 msec
640 nm, 16%, 200 msec
no average
8 z-sections,
10 min interval,
total 72 time series (12 hrs)







      
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3 ----  ----  松田道行 dimerはいいアイデアですね 2012/11/05
宮成悠介さん

貴重なレポートありがとうございます。dimerにすることまで頭が回ってませんでした。コンストラクトを使わせていただくことは可能でしょうか?近く、DeepSee Insightが入るので、二光子顕微鏡でも試してみたいと思います。
      
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4 ----  ----  榊原明 Dimer形成のためのリンカー配列 2012/11/10
宮成さん

僕が作ったH2B-iRFPは高発現時に凝集する傾向があったのですが、その点がH2B-tdiRFPでは改善され使い勝手が良くなっているのでしょうね。こちらでも是非使わせていただきたいです。

> iRFPはDimer形成があるということで、iRFPをtandem dimerにしたH2B-tdiRFPを作成しました。ideaはtdTomatoと同じで、分子内でdimer形成させpeudo monomer化しようということです。
>

ところで、二量体にするときのリンカー配列の選び方には何かコツみたいなものがあるのでしょうか?

以前から膜移行型赤色蛍光蛋白質を色々と試しており、これまでは凝集しなくなることを期待してmonomer (mCherry, mStrawberry, mKO etc.) の蛍光蛋白質を使っていました。今後はdimerに膜移行シグナルをつけたものも試してみたいと思います。
      
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5 ----  ----  宮成 2012/11/12
iRFP間のリンカーの配列はtdTomatoのリンカー配列とほぼ同じになっていると思います。

知り合いが、細胞膜に移行するシグナルをtdTomatoにつけて試してみたところ、アグリゲ-ションを起こしたと言っていました。細胞種、コンストラクト、発現量にもよると思いますが、注意したほうが良いかもしれません。といっても、もともとmonomerのFL(mGFP等)をダイマーにするぶんには問題ないのかもしれません。

ちなみにmCherryはアグリケーションを起こしやすいようですね。
3xmCherry-NLSは、発現量が高いと核内でアグリゲーションしました。
一方3xturboGFP-NLS (*turboGFPはもともとdimer形成します)で同様のことをするとアグリゲーションはありませんでした。
      
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6 ----  ----  榊原明 膜移行型tdTomato 2012/11/12
宮成さん

> iRFP間のリンカーの配列はtdTomatoのリンカー配列とほぼ同じになっていると思います。

情報ありがとうございます。

> 知り合いが、細胞膜に移行するシグナルをtdTomatoにつけて試してみたところ、アグリゲ-ションを起こしたと言っていました。

とりあえず手元にあるtdTomatoで膜移行型作ってみるつもりでしたが、ちょこっと考えてからにします。でも、実際には考えてもダメで、色々と作って試してみるしかないのでしょうね。
      
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7 ----  ----  宮坂信彦 膜移行型tdTomato 2012/11/12
榊原さん

理研・脳センターの宮坂です。私も今までに赤色蛍光タンパク質の膜移行型をいくつか試してみました(mRFP, mCherry, TagRFP, JRed, tdTomato)。この中では、蛍光が強くて凝集が比較的少ないという点で、tdTomatoのC末端にCAAX boxを付けたものが一番よかったです(ゼブラフィッシュのニューロンに発現させた場合ですが)。TagRFPCAAXも凝集は見られなかったのですが、in vivoでの観察には蛍光強度が十分ではなかったので、現在はtdTomatoCAAXを使用しています。系によっては強発現によって凝集するかもしれませんが、もし必要でしたら分与可能ですので仰ってください。
      
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8 ----  ----  榊原明 tdTomatoCAAX 2012/11/12
宮坂さん

コメントありがとうございます。tdTomatoCAAX、是非試してみたいので、ご分与お願いいたします(のちほど、メールにて依頼させていただきます)。
      
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9 ----  ----  三輪佳宏 iRFP dimerの更なる効果 2012/12/01
> iRFPはDimer形成があるということで、iRFPをtandem dimerにしたH2B-tdiRFPを作成しました。ideaはtdTomatoと同じで、分子内でdimer形成させpeudo monomer化しようということです。

私のところでも、単純な発現マーカーとして使う目的で、複数種類のリンカーでdimer化して発現実験を試してみました。
1)dsRedのときに、リンカーが短すぎると余分な効果が出てしまったので、今回も3段階の長さを試してみましたが、19 a.a.以上であれば長さの影響はありませんでした。

2)また発現の強度に関しては、dimer化によってそれほど稼げる効果はありませんでしたが、
発現細胞をFlow cytometerで解析してみると、同じ発現系であるにもかかわらず蛍光強度がより高いほうに均一化されCV値がかなり向上する結果が得られました。ですので単純な発現マーカーとしてもdimerのほうが望ましいと思います。また、IFP1.4のdimer versionであるIFP1.4cでは、また少し違う効果が得られました。詳細は分子生物学会の初日にポスターに出します。

> H2B-tdiRFPの細胞毒性等はちゃんと調べていませんが、細胞の様子を見る限り楽観的です。

現在、全身発現Tg mouseを長期飼育して、問題が発生しないかどうかを経過観察中です。もしも何か疾患を自然発症するようなことがあれば、今後随時ご報告できると思います。
ただ、本当は何らかのストレスをかけるなどしたほうがよいかもしれません。
例えば、HVCに感染した患者さんの場合、瀉血によって発ガンを抑制できることが知られています(インターフェロン治療の場合は保険適用)ので、ヘム代謝に関与するiRFPの大量発現は、何らかの効果を生むかもしれません。まったくの想像ですが(笑)。
      
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10 ----  ----  三輪佳宏 iRFP in non-invasive 3D 2012/12/01
あ! ついでですが、
IVIS spectrumを使って、iRFP発現細胞が腹腔内に何個あれば、どの程度の非侵襲3次元イメージングが可能か、についても、X線CTと合わせたデータを初日のポスター、ワークショップと2日目のランチョンで出します。
興味のある方は、当日会場で議論していただけたら幸いです。
      
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11 ----  ----  松田道行 Re:iRFP in non-invasive 3D 2013/04/02
td-iRFPの配布を開始してしばらくたちますが、どなたかLentivirusのCre-td-iRFPを作成された方はいらっしゃいませんか?使わせていただけると助かります。
      
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