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PubMedID 21934958 Journal Opt Express, 2011 Aug 15;19(17);15947-54,
Title Lateral resolution enhancement of laser scanning microscopy by a higher-order radially polarized mode beam.
Author Kozawa Y, Hibi T, ..., Nemoto T, Sato S
北海道大学電子科学研究所  根本研    日比輝正     2011/11/22

液晶素子による高解像化技術
この新学術領域でのテーマとは少し異なるかもしれませんが、皆さんの参考になればと思い、私たちの最近の成果を紹介させて頂こうと思います。レーザー走査型顕微鏡では、走査する集光スポットの大きさが分解能を決定づける大きな要因となっています。この集光スポットは、通常、光の回折限界のために、およそ波長の半分程度までしか小さくできません。私たちのグループでは、レーザー顕微鏡の励起光を「高次径偏光ビーム」という特殊なビームに変換することで、顕微鏡の高解像化を実現しました。最近、STED、SIM、PALM/STORMなどの超解像技術が注目を集めていますが、装置が非常に高価なことに加え、使える蛍光物質に制限があったり、時間分解能が犠牲になっていたりと、生物系研究者にとって使い易いとは言い難いと思います。本法では、液晶素子を対物レンズとレボルバーの間に挿入するだけで分解能向上が実現できるため、基本的には今までの実験手法をそのまま活かせるのが大きな特長です。
   
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1 愛媛大学大学院医学系研究科、分子病態医学分野  今村健志研  今村健志 素晴らしいですね。ところで質問ですが、、、 2011/11/22
日比さん、論文採択おめでとうございます。最近、超解像技術が注目を集めていますが、我々のレベルでは技術的なことにかかわることは難しいと考えていましたので、素晴らしいと思います。ところで質問ですが、「液晶素子を対物レンズとレボルバーの間に挿入するだけ」ということは、我々が持っている顕微鏡にそのまま導入することが可能ということですよね。その場合、いつ頃我々が使うことが可能で、いくらぐらいの費用がかかるのでしょうか?

> この新学術領域でのテーマとは少し異なるかもしれませんが、皆さんの参考になればと思い、私たちの最近の成果を紹介させて頂こうと思います。レーザー走査型顕微鏡では、走査する集光スポットの大きさが分解能を決定づける大きな要因となっています。この集光スポットは、通常、光の回折限界のために、およそ波長の半分程度までしか小さくできません。私たちのグループでは、レーザー顕微鏡の励起光を「高次径偏光ビーム」という特殊なビームに変換することで、顕微鏡の高解像化を実現しました。最近、STED、SIM、PALM/STORMなどの超解像技術が注目を集めていますが、装置が非常に高価なことに加え、使える蛍光物質に制限があったり、時間分解能が犠牲になっていたりと、生物系研究者にとって使い易いとは言い難いと思います。本法では、液晶素子を対物レンズとレボルバーの間に挿入するだけで分解能向上が実現できるため、基本的には今までの実験手法をそのまま活かせるのが大きな特長です。
      
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2 北海道大学電子科学研究所  根本研  日比輝正 私からは何とも・・・ 2011/11/23
今村先生、ご質問ありがとうございます。
今回の液晶素子は、シチズンホールディングス(株)に製作をお願いしたものです。実際に皆さんに使って頂ける様になる(=製品化)までには、いろいろなファクターがあるので、いつ頃、いくらくらいというのは、私の方から言える立場には無いのですが、超解像顕微鏡を1台購入するよりは、はるかに安い価格で使用できるであろうことは間違いないと思います。使いたいという人がいればいるほど量産効果で安くなるでしょうから、我々も本方法の長所を活かし、積極的にアピールできるようなデータを出していきたいと思っています。
もし「製品としては未完成なものでも試しに使ってみたい」という方がいらっしゃいましたら、私たちの方から共同研究者と相談させて頂くことも出来ると思いますので、ご連絡を頂ければと思います。

> 日比さん、論文採択おめでとうございます。最近、超解像技術が注目を集めていますが、我々のレベルでは技術的なことにかかわることは難しいと考えていましたので、素晴らしいと思います。ところで質問ですが、「液晶素子を対物レンズとレボルバーの間に挿入するだけ」ということは、我々が持っている顕微鏡にそのまま導入することが可能ということですよね。その場合、いつ頃我々が使うことが可能で、いくらぐらいの費用がかかるのでしょうか?
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> > この新学術領域でのテーマとは少し異なるかもしれませんが、皆さんの参考になればと思い、私たちの最近の成果を紹介させて頂こうと思います。レーザー走査型顕微鏡では、走査する集光スポットの大きさが分解能を決定づける大きな要因となっています。この集光スポットは、通常、光の回折限界のために、およそ波長の半分程度までしか小さくできません。私たちのグループでは、レーザー顕微鏡の励起光を「高次径偏光ビーム」という特殊なビームに変換することで、顕微鏡の高解像化を実現しました。最近、STED、SIM、PALM/STORMなどの超解像技術が注目を集めていますが、装置が非常に高価なことに加え、使える蛍光物質に制限があったり、時間分解能が犠牲になっていたりと、生物系研究者にとって使い易いとは言い難いと思います。本法では、液晶素子を対物レンズとレボルバーの間に挿入するだけで分解能向上が実現できるため、基本的には今までの実験手法をそのまま活かせるのが大きな特長です。
      
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3 愛媛大学大学院医学系研究科、分子病態医学分野  今村健志研  今村健志 お礼および愛媛大学の超解像顕微鏡(SIM)について 2011/11/25
日比さん、早速の対応ありがとうございます。液晶素子の件、よくわかりました。超解像顕微鏡については、愛媛大学にニコンのSIMが導入されていますが、価格を聞くと我々では手が出ないものです。但し、培養細胞のミトコンドリアのクリステがライブではっきり見えたり、寄生虫で今まで見えなかった構造物が見えるといった話を聞きますので、やはり今後必要なツールになると思います。今後もいろいろ情報を頂ければ幸いです。

追伸:愛媛大学の超解像顕微鏡(SIM)は毎年夏の講習会で皆さんに使ってもらっていますが、講習会以外でも外部の方の使用が可能です。希望の方は、公募班員の井上博文先生にご連絡ください。
      
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4 愛媛大学大学院、生化学・分子遺伝学分野  東山繁樹研  井上 博文 N-SIMについて 2011/11/26
今村先生、N-SIMのご紹介ありがとうございます。N-SIMは比較的使用しやすいデバイスですので、是非試してみたいという方がおられましたらご連絡ください。いい温泉もあります。
      
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