PubMedID | 22041111 | Journal | Cell Struct Funct, 2011 Oct 29; [Epub ahead of print] |
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Title | Conjugation of both on-axis and off-axis light in Nipkow disk confocal microscope to increase availability of incoherent light source. | ||
Author | Saito K, Arai Y, ..., Tani T, Nagai T |
北大の齊藤です。
数年前から取り組んでいた、レーザーを使用しない共焦点システム、をこの度ようやく発表することができました。この論文では200万円ほどで7色出せるLED-baseの光源を使っています。安価・簡便な共焦点システムが広がってイメージング研究の裾野が広がれば幸いです。パソコンみたく一人一台の時代が来るといいですね。
さっそく研究成果へも掲載いただきありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
1 | 京都大学生命科学研究科生体制御 松田研 中正英二 | 光学的な質問です | 2011/12/05 |
松田研にてお世話になってます 光学屋の中正です
論文を読ませていただきまして、光学屋さんとしていろいろと質問が出てきました。お考えをお聞かせねがえれば。 LED光源を使った実験で焦点距離を変えたコリメートレンズの強度に関して ・NA0.4のファイバと4x対物(NA0.2)では対物レンズはすべての光を使うことはできず、そこで3/4の光をロスしているのが主な原因ではないか? ・対物レンズの焦点距離を小さくすることによって、LEDの光軸から出た軸上光線(論文ではCoherent光)、および軸外光線(論文ではIncoherent光)ともにPHを抜けますが、両光線が通るPHの数も2乗に比例して減少していくので、4x、および10xコリメータにてディスクを通過する光の量はあまり変わらない(Lagrange Helmholzの関係式)のではないか? ・主光線が通るPHの数が少ない=照野面積が小さいため単位面積当たりの励起光強度が強く、明るい蛍光を発しているのではないか? 以上です。 |
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2 | 北海道大学/電子科学研究所 永井研 齊藤健太 | レスポンスありがとうございます | 2011/12/05 |
仲正様
光学を専門としている方に読んでいただいて非常に恐縮しております。 以下のとおり回答させてください。 1)NA0.4のファイバと4x対物(NA0.2)の組み合わせに関してはおっしゃる通りの理由と考えております。 2),3)に関して 本当は軸上光線、軸外光線がそれぞれ実際にどの程度通っているかを示したかったのですが測定する有効な方法が思いつきませんでした。照野面積は確かに10xの方がCSUの最適に近いようですがそれだけで説明ができるかどうかわかりませんでした。今後の課題としております。今回の結果を踏まえてシミュレーションや実験を行い原因をつきとめ、さらに改善したシステムができないかと考えております。 |
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3 | 京都大学生命科学研究科生体制御 松田研 中正英二 | 照明光学系の最適化 | 2011/12/06 |
齊藤さま
今回のCSUの系を利用するのであれば CCDのサイズが対角11.5mm程度で、マイクロレンズの径がだいたい0.5mmなのでファイバからでた光はΦ12mmあたりでコリメートされるものが、視野数的によいと思います。 ファイバのNAが0.4であればf15、NAが0.2であればf30。瞳径がΦ12以上で色収差が取れているレンズ。Zeissの10×対物(NA0.4以上必要)はf16あたりだったかと。 次にディスクを出たあとのことですが、マイクロレンズはΦ0.5mmf10と決まってるので、NAは0.025。 視野数を12mmあたりに設定すると、Lagrange Helmholzの不変量は12×0.025=0.3。 論文に使われている対物レンズでは 40x対物 12/40×1.3=0.39 60x対物 12/60×1.4=0.28 100x対物 12/100×1.4=0.17 なので60xを使うのが過不足なく瞳を満たせて効率がよさそうです。 |
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4 | 北海道大学/電子科学研究所 永井研 齊藤健太 | ありがとうございます | 2011/12/08 |
仲正様
返信が遅れて申し訳ありません。 f15あたりが良いというのは、今回の結果からも妥当ですね。Nikonの10x(f20)と20x(f10)で、若干10xが良いという結果でしたから。 視野数の計算方法を知らなかったのですが、NAx焦点距離x2という事でよいでしょうか。 Lagrange Helmholzを使うとこのような比較・検討が可能なのですね...恥ずかしながら知りませんでした。色々と非常に勉強になりました。ご指摘いただけたことに本当に感謝いたします。さっそく検討してみます。 |
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5 | 京都大学生命科学研究科生体制御 松田研 中正英二 | コメント | 2011/12/13 |
齊藤さま
>視野数の計算方法を知らなかったのですが、NAx焦点距離x2という事でよいでしょうか。 このCSUの系に関してはです。 軸上光線が照明するPH面(サンプルと共役面)を計算しています。 光学的にはリレーして軸外の光線も同一領域を照明するほうがよいのですが、コリメートレンズが一つだけでは無理です。 たしか永井研のCSUの結像光学系は1×で投影されていたと記憶しています。 もし結像光学系が拡大系であればその分視野数は小さくしたほうがよいです。 Lagrange-Helmholzの式は 物体の大きさ×物体面でのNA = 像の大きさ×像面でのNA という普通の式のことです。これが保存量になります。 覚えておいて損はない式です。 |
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6 | 北海道大学/電子科学研究所 永井研 齊藤健太 | 遅くなりました | 2011/12/17 |
仲正様
返信が遅くなってすみません。 視野数の計算ありがとうございます。 ところで、 > 光学的にはリレーして軸外の光線も同一領域を照明するほうがよいのですが、コリメートレンズが一つだけでは無理です。 軸外光線を軸上光線と同じ領域にするリレー系はどうすれば可能なのでしょうか。 専門の方には基本的すぎる質問なのかもしれませんが...回答いただければ非常に幸いです。 > Lagrange-Helmholzの式は > 物体の大きさ×物体面でのNA = 像の大きさ×像面でのNA ありがとうございます。 概念として知っていましたが使いこなせるレベルには到達しておりませんでした。特に、CSUのように間にマイクロレンズ・ピンホールみたいなものが入ってくるとどう考えて良いのか一筋縄でいかない印象でした。 今回のご意見、非常に参考になります。 もし良かったら回答いただければ幸いです。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 |
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7 | 京都大学医学部病態生物医学分野 松田研 中正英二 | リレー光学系 | 2011/12/22 |
齊藤さま
返事が遅くなって申し訳ございません。リレー光学系についてです。 この系でしたら、同じ焦点距離のレンズを二つ用意します。 色収差がよいダブレットのf50とかf80とかのレンズ。 Φは20mm以上、できればΦ30くらいあったほうが無難かもしれません。 f50にしろf80にしろ、焦点距離をFと置きます。 コリメータとして使用している対物レンズの後ろ側瞳位置からF離れたところにレンズを1枚。 それから2F離れたところにもう一枚のレンズ。 そこからF+10離れたところにマイクロレンズ。(この+10はマイクロレンズの焦点距離分ですが、まあおまじないみたいなものです) これでファイバの軸外から出た光もピンホールに効率よく集まります。 対物レンズの後ろ側瞳位置は対物レンズによって違いますのでメーカに聞いてみて下さい。 絵を投稿できたら一発なのですが、まあ作図してみてください。 宮脇先生の「蛍光イメージング革命」の第3章の2とか3とかを参考に。 以上、よろしくお願いします。 |
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