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PubMedID 21765402 Journal Nat Biotechnol, 2011 Jul 17; [Epub ahead of print]
Title Bright and stable near-infrared fluorescent protein for in vivo imaging.
Author Filonov GS, Piatkevich KD, ..., Kim K, Verkhusha VV
北海道大学、電子科学研究所  ニコンイメージングセンター    齊藤健太     2011/07/29

明るく安定な近赤外蛍光タンパク質iRFP
これは以前に報告されている近赤外蛍光タンパク質IFP1.4と由来の異なるバクテリオフィトクロムから作成されました。IFP1.4と吸収・蛍光波長はほぼ変わらず発色団にBilliverdin(BV)を要する点も同じです。しかしiRFPはBVとのアフィニティがIFP1.4の10倍以上高いため細胞やマウスでのイメージングにおいてBVの添加をせずとも十分に明るいようです。つまり近赤外蛍光タンパク質が従来のGFPライク蛍光タンパク質と同じノリで使えるようになった事を意味しこの点で非常にインパクトが高いかと思います。他にもIFP1.4に比べるとタンパク質の安定性が高かったりpKaが低い等の利点もあるようです。

BV添加を要するという近赤外蛍光タンパク質の使いにくさをあっさり克服してしまいましたね。私は化学発光タンパク質を利用したイメージングをしている者ですが化学発光も基質添加を要するという使い勝手のわるさをそろそろ克服したいなと常々考えています。
   
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1 京都大学生命科学研究科  生体制御学分野  松田道行 これ、みなさん使いたいですか? 2011/07/30
とても使えそうというコメントですね。ありがとうございました。
関連する話題です。いま、総括班として考えているサービスがあります。このような新規蛍光タンパク質が発表され、使いたいという希望の班員がいたら、cDNAをヒト化したうえで合成して、希望する班員に配布するというものです(かなり長いcDNAも低価格で合成できる時代になりました)。たとえば、iRFPなどは希望者はかなりいると思いますが、どうでしょうか。条件としては、バーチャルイメージングセンターへのユーザーコメントのフィードバックを義務付けるというものを考えています。

> これは以前に報告されている近赤外蛍光タンパク質IFP1.4と由来の異なるバクテリオフィトクロムから作成されました。IFP1.4と吸収・蛍光波長はほぼ変わらず発色団にBilliverdin(BV)を要する点も同じです。しかしiRFPはBVとのアフィニティがIFP1.4の10倍以上高いため細胞やマウスでのイメージングにおいてBVの添加をせずとも十分に明るいようです。つまり近赤外蛍光タンパク質が従来のGFPライク蛍光タンパク質と同じノリで使えるようになった事を意味しこの点で非常にインパクトが高いかと思います。他にもIFP1.4に比べるとタンパク質の安定性が高かったりpKaが低い等の利点もあるようです。
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> BV添加を要するという近赤外蛍光タンパク質の使いにくさをあっさり克服してしまいましたね。私は化学発光タンパク質を利用したイメージングをしている者ですが化学発光も基質添加を要するという使い勝手のわるさをそろそろ克服したいなと常々考えています。
      
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2 筑波大学  三輪研  三輪佳宏 iRFP 2011/08/05
このサービスは非常に素晴らしいと思います。
本当は今週自分で発注しようかと思っていたのですが、いかんせん科研費3割カットが今後どうなるか、見通しが立ちませんので、是非利用させてください。
IFP1.4で行っていたいくつかの工夫はそのまま組み合わせできますので、速攻で確認します。
成熟がより早くなる、細胞や組織間でのバラつきを小さくできる、などの効果は期待できるかもしれません。
よろしくお願いします。

> 関連する話題です。いま、総括班として考えているサービスがあります。このような新規蛍光タンパク質が発表され、使いたいという希望の班員がいたら、cDNAをヒト化したうえで合成して、希望する班員に配布するというものです(かなり長いcDNAも低価格で合成できる時代になりました)。たとえば、iRFPなどは希望者はかなりいると思いますが、どうでしょうか。条件としては、バーチャルイメージングセンターへのユーザーコメントのフィードバックを義務付けるというものを考えています。
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> > これは以前に報告されている近赤外蛍光タンパク質IFP1.4と由来の異なるバクテリオフィトクロムから作成されました。IFP1.4と吸収・蛍光波長はほぼ変わらず発色団にBilliverdin(BV)を要する点も同じです。しかしiRFPはBVとのアフィニティがIFP1.4の10倍以上高いため細胞やマウスでのイメージングにおいてBVの添加をせずとも十分に明るいようです。つまり近赤外蛍光タンパク質が従来のGFPライク蛍光タンパク質と同じノリで使えるようになった事を意味しこの点で非常にインパクトが高いかと思います。他にもIFP1.4に比べるとタンパク質の安定性が高かったりpKaが低い等の利点もあるようです。
      
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3 筑波大学  三輪研  三輪佳宏 iRFPつづき 2011/08/05
先ほど念のため書こうと思って忘れていたことが。

もしまだ間に合うなら、合成する際にcodingの中にNotIや他の代表的な制限酵素サイトはなくしておいていただけると助かります。コドンをヒト化するとどうしてもGC richになってしまいますので。
基本的に、多くの方が昔むかしのClontechのベクターから乗せ変えて使っているケースが多いかと
思いますので、あのmultiple cloning siteにある酵素は抜いておいていただければと思います。
よろしくお願いします。
      
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