PubMedID |
23074267 |
Journal |
Sci Signal, 2012 Oct 16;5(246);ra76, |
Title |
The temporal pattern of stimulation determines the extent and duration of MAPK activation in a Caenorhabditis elegans sensory neuron. |
Author |
Tomida T, Oda S, ..., Iino Y, Saito H |
九州大学大学院理学研究院生物科学部門 分子遺伝学研究室広津グループ 魚住隆行 2013/01/25
刺激パターンによって決定されるMAPキナーゼの活性変化カイネティクスの解析
筆者らは、MAPK(Erk)の活性インジケーターをもとに、ダイナミックレンジを向上させるなどの改良を加えた“ERKy”というプローブを開発しました。(YPet) – (リン酸化セリン結合領域) – (リン酸化サイト) – (Erk結合領域) – (SECFP) という構造で、リン酸化を受けると構造変化します。
これを線虫の化学感覚神経に発現させて、in vivoでのMAPKの活性化を観察しました。この感覚神経で受容されるNaClを刺激として与えた時のMAPKの変化を捉えることに成功しています。また、NaCl刺激のON/OFFを繰り返して与えており、「刺激の継続時間」「刺激間のインターバル」「刺激頻度」の3つのパラメーターを変えてみて、刺激のパターンを作っています。そして、様々な刺激パターンを試し、それに応答したMAPKのカイネティクスを解析しています。これによるとMAPKの活性の高さには、刺激を与える長さよりもインターバルが重要であるようです。
私自身も線虫の嗅覚神経で、Raichu-Rasを使ったRasのイメージングをさせていただいているので、こちらのプローブを使って嗅覚神経でのMAPKのイメージングもできればいいなと考えています。