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PubMedID 23213253 Journal Proc Natl Acad Sci U S A, 2012 Dec 26;109(52);21498-503,
Title Topological specificity and hierarchical network of the circadian calcium rhythm in the suprachiasmatic nucleus.
Author Enoki R, Kuroda S, ..., Honma S, Honma K
産業医科大学 医学部 第1生理学  上田研究室    丸山 崇     2013/02/12

視交叉上核におけるカルシウム概日リズムの構造的特徴と階層ネットワーク
蛍光カルシウムセンサを用いた高感度イメージング法により視交叉上核の細胞内カルシウム濃度の変化を可視化する方法を応用し、視交叉上核内の部位によるリズム発振の違いと細胞間の階層的ネットワークの方法について明らかにされた論文です。
 アデノ随伴ウィルスにより蛍光カルシウムセンサYellow Cameleon 3.60 (YC 3.60)を視交叉上核の神経細胞に導入および発現させ、視交叉上核の長期培養を行いながらFRETによる蛍光測定で細胞内カルシウム濃度の日内リズムを計測する手法を確立された他、頂点位相・周期・振幅などのリズムパラメータを解析しカラー表示で視覚的に捉えることが出来るプログラムの開発にも成功されています。
 この手法を用いて、視交叉上核内の腹外側部と背内側部において、カルシウム濃度の日内変動の発振様式が異なることが確認されています。
 また、TTXを用いて活動電位を抑制することによりカルシウムの概日リズムに変化が出ることや、Carbenoxoloneを投与しても概日リズムに影響がないことから視交叉上核内のネットワークにGap Junctionが関係していないことなどの証明が行われていました。
 視交叉上核内の神経間ネットワークにはまだまだ解明されていないことが多く、今回開発された手法は、これまで行われてきた時計遺伝子や各種タンパクの発現を測定する方法や電気生理学的手法とは違った新たな手法として生体リズム研究への応用が期待されます。
   
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