PubMedID |
23344448 |
Journal |
Nat Chem, 2013 Feb;5(2);132-9, |
Title |
A near-infrared fluorophore for live-cell super-resolution microscopy of cellular proteins. |
Author |
Lukinavi�ius G, Umezawa K, ..., Manley S, Johnsson K |
筑波大学医学医療系 三輪研究室 坂口 翔太 2013/05/14
近赤外域有機系蛍光色素を用いた細胞内タンパク質の超解像顕微鏡法
今後、ますます非侵襲・低侵襲バイオイメージングを進めるなかで、近赤外域の有機系蛍光色素の開発も非常に重要です。
2011年に東大の長野先生のグループは、ローダミン中の酸素をケイ素、ゲルマニウム、スズに置換した誘導体を合成しその性質を調べる中で、ケイ素に置換したシリコンローダミン(SiR)が最も長波長化することを見いだしていました。 それを受けてこの論文の筆者たちはSiR中のメチル基をカルボキシル基に変換したシリコンローダミン―カルボキシル(SiR-carboxyl)を合成し、これを新たなプローブとしてバイオイメージングに応用しました。特定のタンパク質と共有結合させてラベルできる、SNAP、CLIP、Haloタグを合成し、高い膜透過性とその後の予定された特異的なラベリングを実施しています。また超解像顕微鏡法にも応用しており、バイオイメージングの強力な新手法となり得ると期待されます。
今回の論文中ではまだin vivoでの実験例は多くないので、in vivoでの毒性などについては不明ですが、今後いろいろな実施例なども出てくるかもしれません。SIRは、近赤外バイオイメージングの重要なツールとして、様々なプローブへの応用が期待されると思います。