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PubMedID 23685843 Journal Nat Med, 2013 Jun;19(6);778-83,
Title Real-time in vivo analysis of T cell activation in the central nervous system using a genetically encoded calcium indicator.
Author Mues M, Bartholomaus I, ..., Kawakami N, Krishnamoorthy G
東京医科歯科大学難治疾患研究所 免疫疾患      安達貴弘     2013/10/07

FRETカルシウムセンサーを用いたT細胞活性化の観察
CFPとYFPをもとにトロポニンCのカルシウム結合部位を持つFRETカルシウムセンサーTN-XXLをベースとして、さまざまな改良を加えたTwitch-1CDを作製し、それをT細胞にレトロウィルスベクターを使って導入し、それを個体に導入して自己免疫疾患のモデル系でT細胞の動態と活性化を2光子レーザー顕微鏡にて検出可能にしています。なお、Twitch-1CDは従来のものに比べカルシウムへの親和性が高くなっています。

抗原ペプチドによるリンパ節でのT細胞の動態、および活性化、さらには自己免疫疾患のモデルの1つである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を利用して、ミエリン特異的なT細胞をレシピエントに導入して、中枢神経系での自己反応性のT細胞の動態、カルシウムシグナリングを見ています。リンパ節では、抗原ペプチドの静脈注射によりT細胞の動きが抗原を提示するDCと会合することにより制限され、細胞内カルシウム濃度の上昇がみられています。またEAEの系では、くも膜下腔に侵入してきた自己反応性T細胞が活性化される様子を生体イメージングでとられています。T細胞のように動きのある細胞でもFRETセンサーを使えば、動きによる蛍光強度の変化を補正できるのでカルシウムシグナリングのin vivoイメージングに適していると思われます。

今後、今回の論文のように、細胞の活性化を可視化した蛍光プローブが各種疾患の経時的な病態解明にも益々利用されていくと思われます。
   
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1 京都大学・生命科学研究科    松田道行 Re:FRETカルシウムセンサーを用いたT細胞活性化の観察 2013/10/07
1月に川上先生が大阪の千里ライフサイエンスセミナーでこのプローブについて少し話していたと思います。ここのラボは麻酔とかin vivo imagingのセットアップに気合が入っていますね。こういうセットアップのあるイメージングセンターが各大学にできればよいと思います。カルシウムセンサーとしては、永井さんのカメレオンナノシリーズのほうが感度が高いでしょう。誰かレンチウイルス版にしてくれませんかね(コドンを変えるだけなので難しくはありません)。
      
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2 東京医科歯科大学難治疾患研究所、  免疫疾患  安達貴弘 Re:Re:FRETカルシウムセンサーを用いたT細胞活性化の観察 2013/10/08
松田先生

お世話になっております。

FLI Forum、早速のコメント、ありがとうございます。カメレオンシリーズの方が感度がいいとのこと、カメレオンを使わせてもらっているものとして少し安心しました。

YC3.60ならレンチウィルスベクターに入っているものを持っています。
マウスES細胞やB細胞株に導入できています。

もし必要でしたらお申し付けください。

安達
      
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