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研究課題

研究課題名:骨の生体イメージングによる骨髄細胞・骨転移癌の遊走・分化やニッチ環境の可視化

研究代表者(所属):石井 優(大阪大学大学院医学系研究科・医学部・感染免疫医学講座/生命機能研究科・個体機能学講座免疫細胞生物学教室 教授 兼 世界トップレベル研究拠点・免疫学フロンティア研究センター免疫細胞生物学教室 教授)

研究内容

 石井 優
 骨髄腔はリンパ球を始めとして顆粒球・単球など多種多様な血液系細胞の発生・機能分化の主要な場であり、それらの元となる血液幹細胞が自己複製能・多能性を維持して存在する場であり、さらには骨転移腫瘍のように本来存在し得ない細胞が迷入して潜伏する場である。これらの各細胞が骨髄腔内でそれぞれの特殊な環境(=ニッチ)へいかにして遊走し位置決めを行うか、またその場でどのような個別の分化制御を受けるかについて、これまで多くの研究がなされてきたが、その多くは固定骨組織を用いた静的な解析であった。本研究代表者は最近、二光子励起顕微鏡を用いて生きた骨組織・骨髄内を高い時空間解像度で観察する方法を開発し、これにより骨リモデリングを担う破骨細胞の生きた動態を可視化することに成功した。
 本計画研究ではこの技術をさらに改良・発展させて、生きた骨組織・骨髄内における(1) リンパ球・単球などの骨髄細胞の機能・分化とそのニッチ環境と、(2) 癌の骨転移メカニズム・癌幹細胞ニッチの各動態について、実体的かつ統合的な解析を行う。
 本計画研究により、骨髄細胞や転移癌の動態やそれらのニッチ環境について、その分子基盤から生理機能まで実体的かつ統合的な理解を得ることが可能となると考えられ、本邦のみならず世界的にもこれからの免疫・血液学、発生・再生医学研究やがん研究において極めて大きなインパクトを与えるものと確信する。

代表的論文3編

Sphingosine-1-phosphate mobilizes osteoclast precursors and regulates bone homeostasis.
Ishii. M., Egen. J.G., Klauschen, F., Meier-Schellersheim, M., Saeki, Y., Vacher, J., Proia, R.L., Germain, R.N.
Nature, 458, 524-528, (2009)

Quantifying cellular interaction dynamics in 3-D fluorescence microscopy data.
Klauschen, F., Ishii, M., Qi, H., Baj?noff, M., Egen, J.G., Germain, R.N., Meier-Schellersheim, M.
Nature Protoc, 4, 1305-1311, (2009)

Visualization and identification of IL-7 producing cells in reporter mice.
Mazzucchelli. R,, Warming. S,, Lawrence. S,M,, Ishii. M,, Abshari. M,, Feigenbaum. L,, Washington. A.V., Warner, A.C., Sims, D.J., Li, W.Q., Hixon, J.A., Gray, D.H.D., Rich, B.E., Morrow, M., Anver, M.R., Cherry, J., Naf, D., Sternberg, L.R., McVicar, D.W., Farr, A.G., Germain, R.N., Rogers, K., Copeland, N., Durum, S.K..
PLoS One, 4, e7637, (2009)


関連HP  大阪大学大学院医学系研究科・医学部・感染免疫医学講座/生命機能研究科・個体機能学講座免疫細胞生物学教室 兼 世界トップレベル研究拠点・免疫学フロンティア研究センター免疫細胞生物学教室
(http://bioimaging.ifrec.osaka-u.ac.jp/)

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